歯周病について

日本人の成人(30歳以上)の約7割が歯周病を患っていることを御存じでしょうか。
歯周病は、歯ぐきに炎症が起こり出血したり、口臭がきつくなり、ひどくなると膿が出たりします。
また、歯周病が進行すると、歯がグラグラして噛めなくなり、抜け落ちることもあります。
歯周病は全身の健康に影響を及ぼします。
最近の研究で、歯周病細菌が血液の中に入って体の中に運ばれ、心臓病や肺炎などの病気を引き起こす原因の一つになっていることがわかってきました。
また低体重児の出産など、全身の病気にも影響するといわれています。
歯周病予防や早期の治療は、全身の健康維持のためにも大切なのです。

すぐできる歯周病チェック

  • 口臭が気になる
  • 歯茎が赤くはれている
  • 膿が出ている
  • 冷水がしみる
  • 歯が長くなったような気がする

心当たりのある方は、、歯周病の疑いがあります。
お気軽にご相談ください。

虫歯だけだと思っていたら、歯周病も…という患者さんが意外と多くいらっしゃいます。
虫歯と違い、痛みを伴うわけではないので、症状がわかりにくいことから、お口の中の現状を正しく認識されていない方が多くおられ、気付いたら歯周病がかなり進行、悪化している…ということになります。
歯医者さんは悪くなってから行くところとは限りません。
少しでも気になることがあったら、お気軽にご来院ください。

歯周病予防は、丁寧な日々のブラッシングと定期的な歯科医院でのメインテナンスを行うのがおすすめです。

歯周病の原因は…

歯周病の発症には口の中の菌が関与します。
また、歯にかかる過度な力の問題、免疫の低下やリスクファクターとしての喫煙等も歯周病の悪化を招く要素として考えられています。

口の中には数多くの雑多な種類の菌が存在しています。その種類は名前がわかっているだけでも約800種類以上と言われていて、口の中は様々な菌がごった返している状況なのです。
その中で現在歯周病の原因となるといわれているものは、偏性嫌気性菌と言われるグループの菌で、比較的酸素の少ない環境を好みます。

嫌気性菌の働きは、水槽の水を例えにするとよくわかります。
水槽に水を溜めて数日すると次第に水は濁り臭くなってきます。しかし同じ水槽でも、ポンプで空気を入れたり、新しい水を足し続けると水はきれいな状態が長く続きます。
これらは、水の中の菌の働きで起こっていることで、最初は水中に酸素が多い環境なので嫌気性菌はおとなしいのですが、他の菌が水中の酸素を消費するので次第に酸素が少なくなってきます。
そうすると嫌気性菌が活性化し、水は濁って臭くなり始めます。
家の周囲にある排水溝は、枯葉や土埃などで溝が詰まると流れが悪くなります。
水は常に流れがあるときれいですが、流れが悪くなると淀んできます。
また、底にたまった汚泥は強烈な悪臭を放ちますよね。 
それは偏性嫌気性菌が活性化した結果によるものなのです。

歯の周囲には歯周ポケットという溝が存在します。
歯周ポケットには内部から歯肉溝浸出液が出ています。歯肉溝浸出液は血液と同じ様な免疫成分を持った透明の液で、その免疫作用で歯周病から歯を守っているのです。
歯周ポケットも排水溝と同じで、歯垢や歯石が溜まると歯肉溝浸出液の流れが悪くなり、偏性嫌気性菌が活性化し、炎症を起こしやすくなります。

だから日々のブラッシングが非常に重要で、歯周ポケット周囲の歯垢を取り除き、歯肉溝浸出液の流れを阻害しないようにすることが、効果の高い予防法となるのです。
また定期的に歯石取りを行う等、歯周環境のメインテナンスを行うことは、大変有効な歯周病予防法となります。

歯周病の予防法

一般的な歯周病の予防法は、

  1. 毎日、就寝前と起床後に、適切なブラッシングを行い歯垢を除去する
    ※もちろん適切なブラッシング方法を身につける必要があります
  2. かかりつけの歯科医院で、定期的に歯周病の検査や歯石除去等のメインテナンスを受ける
  3. 禁煙する
    ※喫煙は歯周組織の血流を悪くし、歯周病を悪化させる大きな要因です。
     煙草を吸う方は禁煙をすることで歯周組織はもちろん健康への悪影響をコントロールしていきましょう。
  4. 免疫力を高める為に食の改善を行い、体調管理と健康維持を忘れずに!
    歯周病と糖尿病は密接な関係があります。

もっと積極的に歯周病を予防していきたい方は、POIウォーターを用いたホームケアがおすすめです。
詳しくお知りになりたい方は、お気軽にスタッフにお尋ねください。

※お薬で治療する歯周内科治療も扱っております。

薬で治す歯周内科療法について

歯周病は、ブラッシングによる歯垢除去や歯科医院で行う歯石取りなど、物理的に歯周病菌の病巣になっている歯垢や歯石を除去する、外科的療法が主な治療法です。

ただ、歯周病を悪化させる原因は、いわゆる歯周病菌と呼ばれる菌ですので、薬を使った内科的な手法も効果的です。

歯周内科療法を用いた歯周病治療は、先ず歯周ポケット内にたくさんいる歯周病菌を薬を用いて除菌・不活化させ、その後に巣窟になっている歯石を除去していく二本立ての治療法です。

歯周病菌の状態は、顕微鏡検査や歯周病菌のPCR検査で行い、薬での除菌の効果が出ていることを確認しながら、歯周病の基本治療を進めていきます。

治療後は、口の中、特に歯周ポケットの中の菌の状態が大きく変化するので、
口の中はすっきり、さっぱりとし、治療前に感じていた口の中の嫌な感じや口臭が改善されていることに、ご自分でも気が付かれる方が多いです。

気になる費用は

歯周病菌のPCR検査や歯周内科で使用する薬の中には歯周病の薬として保険適用されていないものがあり、健康保険の適用外となります。
費用は初回のPCR検査が22,000円(税込)と歯周内科療法が66,000円(税込)の合計88,000円になります。
歯周内科療法代には、PCR検査2回と薬代、処置2回分が含まれます。

治療の手順は

  1. 治療前に初回の歯周病菌のPCR検査を行います。
  2. PCR検査の結果をお伝えし、ご希望される方にはお薬をお渡しして歯周内科療法を行います。

歯周内科療法が終了し、歯周病菌の不活化、除菌が行われてから、通常の歯周病治療を行います。(健康保険適用)
ご興味のある方は、お気軽にスタッフにご相談ください。

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